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山陽新聞『一日一題』3月16日

『「おかげさまで」の心』

 

 日本人の宗教観は変わっているといわれます。初詣は神社にお参りし、クリスマスやハロウィンを祝い、お葬式はお坊さんにお願いする。外国では宗教の違いで戦争が起きることを考えれば、とても幸せなことです。

 では、なぜ、そんなことが許されるのでしょうか? それは日本人の心のベースに神道があるからだと思います。神道といえば皆さん直ぐに宗教を連想されますが、おそらく神社に奉仕している神主で、宗教と考えている人は少ないと思います。そもそも宗教と定めるには三大原則があります。それは「教祖」「教典」「教義」です。宗教をひらいた人がいて、その教えを記した書物があり、その教えにそったルールがある。これが宗教です。神道はどうかというと、教祖も、教典も、教義もありません。これでは宗教とはいえませんね。

 それでは神道とは何なのでしょうか? それは日本人の心そのものであり、その心によってつくられた文化や伝統であると考えます。もともとは自然発生的に生まれたとされ、例えば山に何かの力を感じ神が宿っていると考え、その山を大切にしたり、土砂崩れから守ってくれた岩に神が宿っていると考えお祀りしたり、そういった感謝や敬いから生れたのです。ですから外国人には不思議に思われるそうですが、山に向かって手を合わせてみたり、日の出に向かって感謝をしてみたりする文化が根付いているのです。

 しかし、外国人の中にも神道を理解している方もいます。代表的な方は私の好きなロックバンドのビートルズのジョン・レノンです。彼は世界の中で最も美しい言葉を「おかげさまで」と言ったそうです。まさに日本人の心を体現したような言葉ですね。他を侵略しない、そして他を受け入れる、懐の深い神道を心の柱にしているわれわれに、もっと自信と誇りを持ってもいいですよね。 

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