備前国総社宮ご神徳


総社宮 拝殿

ご神徳

ご祭神の大己貴命(大国主命)は「因幡の白兎」の神話で有名な神様です。

大己貴命は、和邇(ワニザメ)に毛を剥がされたうえに、「海水を浴びて風に当たるといい。」と、八十神たちに騙され、酷い目にあった白ウサギを、蒲(がま)の穂で作った薬で治療をされました。また、赤獅子岩での再生神話でも有名なことから医薬、医療、再生復活のご神徳が賜れます。別名「だいこく様」とも呼ばれ商売繁盛、縁結び、幽世(かくりよ)を守護する神様としても崇敬されています。 

 

須勢理毘売命は、大己貴命が根の国に訪れた時に、素盞嗚命(すさのおのみこと)から受けた毒蛇や、毒虫等の試練から助けた神様です。そのことから厄災消除のご神徳が賜れます。また、その後、須勢理毘売命と大己貴命はご結婚されたことから、夫婦和合、家内安全、子孫繁栄のご神徳も賜れます。

その他、神祇官八神(宮中に祀られている八柱の神)、備前国百二十八社のご祭神が祀られており 当宮にお参りすると、これらすべての神様にお参りしたことになり、多くのご神徳を賜ることができます。

 

由緒

総社宮 狛犬

奈良、平安時代には朝廷より任命された国司が任国に派遣され、国庁で政治を行いました。現在、『時範記』と呼ばれる因幡国の国司の日記の一部が残っています。その『時範記』から推測すると、任国に赴いた国司は国庁入庁前にまず「総社」で「任国の国印(銅印)」と「倉の鍵」を受け取る儀式を行っています。これは任国の神々に国を治める者としての承認をえるための儀式でした。祭政一致の時代、国司は政治を行うと同時に、国内の神々に奉幣を行いました。そのためにも国内の神々を合祀した神社、即ち「総社」が必要だったのです。

 

その成り立ちから「総社」は日本全国各国ごとにありました。岡山県内には備前、備中、美作の三国ありますので、「総社」もそれぞれに一社ずつあります。当宮は備前国の「総社」です。創建年代は、『時範記』の書かれた1099年以前といえますが、どこまで遡れるかわかりません。

 

当宮は備前国内(北は旧加茂川町・赤磐市、東は瀬戸内市・備前市、南は玉野市・倉敷市児島・小豆島、西は岡山市一宮・倉敷市連島)128神社の御祭神が合祀されています。各国の「総社」にはそれぞれ合祀した神社の名前を記した帳簿、即ち神名帳(じんみょうちょう)がありました。全国の総社の数だけあったはずですが、岡山県でいえば備前、備中、美作の三総社とも原本の神名帳は残っていません。しかし、ありがたいことに備前国は「備前国神名帳」の写本が八種類ほど残っています。

正殿、拝殿の焼失、そして復興へ

平成4年2月16日。

放火という不幸な出来事に遭遇し、総社宮の御正殿、拝殿がすべて焼失してしまいました。焼失後、何度か復興について話し合いももたれましたが資金難から機運はなかなか高まりませんでした。平成17(2005)年、地元町内会長と総代を中心に備前国総社宮復興奉賛会が発足され、おかげさまで機運が高まってきました。「総社」という歴史的価値の高いお宮を後世に残したいとの願いから、創建当時(平安時代後期)の社殿復元を核にした復興計画をすすめることになりました。

 

本来は国ごとに「総社」はあったのですが、現在は、別の神社へ合祀されたり、末社になったり、跡地に石碑だけがあったり、全国で「総社」という名前で残っている(お祭りされている)神社は数えるほどしかありません。 

 

復興計画の核となる社殿については、総社宮という名にふさわしい復興を願い、平安時代後期12世紀の社殿復元を核とする、という趣旨のもと、広島大学大学院教授三浦正幸氏(監修)と山口佳巳氏(設計)が永年にわたり研究されたもので、当宮の御正殿と拝殿は平安時代後期の創建当時の姿でよみがえります。

 

復興、再建が果たされれば、全国で唯一、平安時代後期の建築様式がみられることになります。監修の三浦教授も講演のなかで「平安時代の美しさを是非ひろくみなさまに見ていただきたい」と述べられています。正殿(本殿)が平成21(2009)年12月末竣工し、続いて拝殿竣工を祝して平成27年4月29日に竣工しました。

備前国総社神名帳

この神名帳は、現在伝わっている備前国神名帳(総社本・総社異本・西大寺本・廣谷本・山本氏本・大瀧本・一宮左楽頭本・金剛寺本)をもとに、備前国総社宮の先代宮司武部聡明が作成し、公表するものです。神社名・よびなについては岡山県神社庁発行資料や現地調査により現在のものを表記しています。鎮座地も現在の鎮座地です。一部鎮座地が特定できない神社もあります。

特別な9神社を最初に掲載する形式は西大寺本等に従い、その他の神社の掲載順序は総社本をもとにしています。なお、今後の考察により加筆および修正することがあります。  
(※ホームページのシステムの都合上、4つに分割して記載しています。下記よりご覧ください。)


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