![刀剣鍛錬奉納を他の刀匠とともに熱した鋼を鍛える川島一城さん](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=597x10000:format=jpg/path/s612d506639ec0a6b/image/i30df28c91d2639e9/version/1573738311/%E5%88%80%E5%89%A3%E9%8D%9B%E9%8C%AC%E5%A5%89%E7%B4%8D%E3%82%92%E4%BB%96%E3%81%AE%E5%88%80%E5%8C%A0%E3%81%A8%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%AB%E7%86%B1%E3%81%97%E3%81%9F%E9%8B%BC%E3%82%92%E9%8D%9B%E3%81%88%E3%82%8B%E5%B7%9D%E5%B3%B6%E4%B8%80%E5%9F%8E%E3%81%95%E3%82%93.jpg)
日本刀の鋼を神前で鍛える「刀剣鍛錬奉納」が備前国総社宮(岡山市中区)の境内で行われた。
かつて刀剣の産地として栄えた備前長船(現在の岡山県瀬戸内市)の伝統を伝えようと、同宮などで企画。備前長船の刀匠、川島一城さんが奉納した。
奉納は8日に行われ、川島さんは「自然に感謝し、世界の平和を祈ります」とあいさつ。静まりかえった境内で火が起こされ神事が始まった。川島さんが中央に設けられた吹子で風を送り込み、火花が舞い上がる。火床で真っ赤に熱せられた鋼を、刀匠たちが鎚でたたき「キン、キン」という高い音が境内に響いた。たたくことで不純物を取り除き、炭素量を調整する作用があるという。訪れた人々は「立会人」として、繰り返される厳かな鍛錬の様子を静かに見守っていた。
この日は、戦国武将・上杉謙信の愛刀とされた国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」を、産地である瀬戸内市が買い取る「里帰りプロジェクト」の寄付金募集も行われた。現在、刀は個人が所有し、売却交渉が進められている。