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産経新聞「備前長船の刀匠 厳かに鍛錬奉納」

刀剣鍛錬奉納を他の刀匠とともに熱した鋼を鍛える川島一城さん
刀剣鍛錬奉納を他の刀匠とともに熱した鋼を鍛える川島一城さん

 日本刀の鋼を神前で鍛える「刀剣鍛錬奉納」が備前国総社宮(岡山市中区)の境内で行われた。

 かつて刀剣の産地として栄えた備前長船(現在の岡山県瀬戸内市)の伝統を伝えようと、同宮などで企画。備前長船の刀匠、川島一城さんが奉納した。

 奉納は8日に行われ、川島さんは「自然に感謝し、世界の平和を祈ります」とあいさつ。静まりかえった境内で火が起こされ神事が始まった。川島さんが中央に設けられた吹子で風を送り込み、火花が舞い上がる。火床で真っ赤に熱せられた鋼を、刀匠たちが鎚でたたき「キン、キン」という高い音が境内に響いた。たたくことで不純物を取り除き、炭素量を調整する作用があるという。訪れた人々は「立会人」として、繰り返される厳かな鍛錬の様子を静かに見守っていた。

 この日は、戦国武将・上杉謙信の愛刀とされた国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」を、産地である瀬戸内市が買い取る「里帰りプロジェクト」の寄付金募集も行われた。現在、刀は個人が所有し、売却交渉が進められている。


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